ジャンクマンがあんなに男前だとは知らなかった天祢涼です。逆タワーブリッジでやられた印象くらいしかなくて、「クラッシュマンと相打ちがせいぜいじゃね?」くらいに思っていたのに……それにしても悪魔超人はみんな、ロビンマスクが大好きだな。
それとはまったく関係ないのですが、双葉社のWebマガジン『カラフル』に『ザ・宗教カンパニー』第13回(最終回)が掲載されました。バックナンバーはトップページからも見られるようになっております。
金儲けのため宗教法人格取得を目指し、団地で布教する藤原禅祐と、すっかり騙されている妹の桜子。そうはさせじと禅祐に立ち向かうエリートサラリーマンの早乙女六三志。教祖vs.サラリーマンの熱き頭脳戦(っぽい話)もこれにて終了。というわけで、ちょっと裏話。
以前、ある編集者さんから「ミステリの長編を連載でやるのは大変ですよ」と云われました。確かに連載でやるなら、短編あるいは連作短編の方がやりやすいと思います。長編は、後から矛盾が生じた時に対処しづらいですからね。特にミステリの場合、伏線の張り忘れが致命的なミスになりかねません。
が、おかげさまで『ザ・宗教カンパニー』は長編ミステリとして無事にゴールすることができました。初連載なのにすごいぜ天祢涼……と云いたいところですが、実は本作は執筆開始まで相当余裕があったのです。
もともとは編集Y氏には「2012年夏頃から着手してください」と云われていました。が、急遽、天祢涼が『綾辻行人殺人事件 主たちの館』を担当することに。Y氏が「そちらを優先していただいてOKです!」と云ってくれたので、お言葉に甘え、『ザ・宗教カンパニー』の着手は半年以上先延ばしとさせてもらいました。
ただ、四六時中『綾辻行人殺人事件』をやっていたわけではなく、合間合間に資料を読んだりネタを考えたりしていたので、いざ始める時には相当しっかり骨子ができていました。この「貯金」のおかげで、無事に13回の連載を乗り切ることができたと思っております。
もちろん、執筆しているうちに辻褄が合わない箇所が出てきたり、Y氏の提案でストーリーを変えたりはしています。一例をあげると、もともと「サラリーマンの親友」という男性キャラがいたのですが、書いているうちに役どころが不明瞭となり、結局、存在そのものを消し去りました。
こんな風に「毎月、編集者と打ち合わせしながらつくっていく」という経験は今までなかったですし、非常に楽しかったです。「作品は生き物」という講談社の前担当P氏の箴言を実感した半年間でした。
連載は終了ですが、これからは単行本化に向けての作業開始です。夏頃の刊行を目指しておりますので、どうぞよろしくお願い致しますm(_ _)m