先日、母校の同窓会に行ってきました。みんないい大人になって……と感慨深いものを抱く中、天祢涼が向かった先は中学二年生の時の恩師Y先生。
大谷大学さんの講演会でも話したことですが。
天祢涼は夏休みの自由研究で『空上殺人事件』という、飛行機の中で人が殺されるという中編小説を書いて提出したことがあります。ほかにやることもなかったし。
その時、Y先生からいただいたコメントが、「内容はともかく、これだけ長い話を書けるのはすばらしいですね」でした。
せ、先生、「内容はともかく」ってなんですか!(笑)
というわけで、「いつかお会いすることがあったらミステリ作家になったことを報告せねば」と長いこと思っておりました。その夢が遂に実現。
天祢涼「先生、天祢です。かくかくしかじかで、メフィスト賞というのをいただいて、一応ミステリ作家をやっております」
Y先生「おお、すごいじゃないか!」
天祢涼「ありがとうございます。で、中学生の時の自由研究でですが……(その時のことを話す)」
Y先生「え? そんなことあったっけ?」
せ、先生!!(爆) いや、まあ、覚えてらっしゃるとは思いませんでしたが、本当にきれいさっぱり忘れているなんて……。
でも22年ぶりとは思えないくらい、いろいろとお話しできてよかったです。「小説家になった教え子は初めてだ」と喜んでいただけたのもうれしかった。数学が全然できずに迷惑かけっぱなしのだめな生徒でしたが、少しは恩返しできたでしょうか。
最近はたくさんの編集さんからご依頼をいただくようになって忘れかけていたけど、自分の原点を思い出した一夜でした。Y先生をはじめ、お話しさせていただいた皆様、ありがとうございました。
「仕事が忙しいから行けない」と一度は断った自分に再度声をかけてくれたW先生と、幹事のA・Yさんにも御礼申し上げますm(_ _)m
なお、『空上殺人事件』は「心臓発作で死んだと思われた被害者が実は他殺だったことを、偶然乗り合わせた名探偵が見抜く」というお話ですが、Y先生もほかにコメントのしようがなかったんだなと思わざるをえない、極めてひどいミステリです。こんなものを学校の課題に出した22年前の自分に敬意を表しつつ、トリックは墓場まで持っていきます。
ちなみにこの記事、書いたの2月なんだけど、アップしたつもりになって今日まで忘れてたんだぜ(笑)。
天祢 涼(あまね りょう)