egword Universal 2で小説を書いているミステリ作家・天祢涼です。egword Universal 2は10年前に発売されたエディタで、開発会社のエルゴソフトは既に解散。今後アップデートされることは永久になく、次期macOS High Sierraでは起動しない。もはや命運は尽きた……そう思っていた時期が俺にもありました。
egシリーズの開発資産取得のお知らせ(物書堂さんのブログより)
詳細はリンク先を参照ですが、簡単にまとめると「エルゴソフトから権利を譲渡されたコーエーテクモゲームスから開発資産を取得したよ! うちの会社でegword Universal 2がHigh Sierraで動くようにメンテするし、egbridge Universalの開発資産も取得したよ!」ということになります。
ワーーーーーーーヾ(@⌒▽⌒@)ノ!!
いやー、「夢なら覚めないでほしい」とはこのことですよ。昨夜、物書堂さんのTwitterを見たときは興奮して訳がわからなくなりましたよ。訳がわからなくなりすぎて仕事になりませんでしたよ。もう、物書堂ったらイケないコなんだから★←一夜明けても興奮状態継続中
「egword Universal」は改修の後にリリースしますが、時期や方法、価格につきましては今後の発表をお待ちください。
egシリーズの開発資産取得のお知らせより
最近はアプリのアップデートでお金を取られることは少なくなりましたが、この場合は無問題。なにしろ10年前に出たアプリの開発資産を引き取って、最新OSでも動くようにメンテナンスしてくれるんですからね。開発資産取得のもとを取れる価格設定で、一つお願いします!
改修するなら直してほしいところ
昨夜この一報を見てから未だ興奮しているのですが、それは一旦おいて。
egword Universal 2は確かに優れたアプリで、現macOSでもちゃんと動いてくれます。が、さすがにガタが来ているようで、細かいことが気にならないでもない。可能であれば改修していただきたい点もあります。具体的には、
起動が遅い
初回起動のときDockの上でやたらバウンドして、なかなか立ち上がりません。試しに仮想マシン上の10.6に入れてみたら、割と早く立ち上がりました。2回目以降の起動も決して速くないので、なんとかなるならしてほしいところ。
一部ショートカットが初回は反応しない
キーボードから手を放さずに済むので「前のページへ」「次のページへ」のショートカットを多用しているのですが、起動後1回目、こいつが反応しないことが多い。メニューバーから選択して一度動かすと、2回目以降は問題なく動きます。macOSの「環境設定」で割り当てたキーボードショートカットも、ちゃんと動くものと、起動後1回目は動かないものがある。
ぜひ改修を……と言いたいところですが、すべてのショートカットが問題なく動くときもあるので、当方の環境の問題なのかもしれません。
入力時、縦書きに対応してほしい
これが一番改修してほしいところ。
たぶん10.9くらいまでは縦書き入力に対応していたのですが、10.10以降はサジェストウインドウが上記画像のように横書きで表示されてしまいます。慣れの問題ですが、やっぱり縦書き時はサジェストウインドウも縦書き表示にしてほしいです。
ちなみにPopClipは、egword Universal 2が横書き表示のときは動作しますが、縦書き表示のときは無反応。この辺りが関係しているのかな?(よくわからないけど)
でも、まあ
いろいろ書きましたが、上記3つはそのままでもHigh Sierraで動いてくれればOK。よろしくお願いします!(結局はこれに尽きる)
いつもありがとうございます!起動は一瞬で、ショートカットの問題もすでに直っています。縦書時の不具合は古いAPIが原因なのでこれから直していきます。 起動はこんな感じです。→ https://t.co/GsRiuR5yEr
— 物書堂(ものかきどう) (@monokakido) 2017年9月5日
以下は妄想
ここから先はなんの根拠もないので、興味のない人はスルーしてください。
High Sierraのリリースが近づいているタイミングでegword Universal 2復活は本当に喜ばしい。でも穿った見方をすれば、かねてからアナウンスされている物書堂エディタ(仮)が「egword形式のファイルも読み込める」機能を実装してリリースされれば、egword Universal 2の出番はなかったはず。
そうならなかったのは、「egword形式のファイルも読み込める」機能の実装が難しいのか、もしくは、開発が遅れている=egword Universal 2を改修した方が早いと判断されたのでは……。
この妄想が当たっている場合、物書堂さんは「egwordユーザーは放置してエディタをつくっていればいいのに、それができなくて、わざわざ開発資産を取得してegwordをメンテナンスすることにした」わけで、だとしたら、なに、この神対応? もはや「物書堂さん」ではなく、「物書堂神」と呼ばなくてはならないレベルじゃないか……。
egword Universal 2の改修後も物書堂エディタ(仮)の開発は継続するとのこと。物書堂エディタ(仮)はウインドウ分割機能があったり、TouchBarに文字数が表示されたりと、いろいろ新しい機能が搭載されています(うちのMacBook ProにはTouch Barないけどね・笑)。こちらはこちらで楽しみなので、ご無理のない範囲で開発を続けていただきたいところ。
egbridgeの開発資産も取得したそうなので、「かわせみ2」の大幅なパワーアップにも期待したい。
ところで今回の開発資産取得って、物書堂エディタ(仮)の正式名称にも影響するんですかね? 「ユニバーサル対応」という言葉は既に死語になってるだろうから「Universal」はなくなるとして、egword 3? でもegって「エルゴソフト」のことですよね?(違ったっけ?) 既に会社がないのに? それでも根強く愛されている「egword」という単語を残すか、全然違う名前にするのか、いっそ、物書堂の社名をエルゴソフトに変えるとか?
最後のはさすがにありえないと思うけど、楽しくて、妄想がいろいろ膨らんでいきます。昨夜からの興奮状態が未だ継続中ですが、さすがに締め切りがやばいので仕事に戻る。