カバー写真:getty images
カバーデザイン:岡本歌織(next door design)
発売日:2017年12月14日
定価:602円(税別)
出版社:双葉社
浦島太郎が龍宮城に来てみれば、待つのは密室殺人? ネット社会、刑期を終えた男の名は半永久的に残る現実が。捜査会議後の刑事たち。会話の中に、事件解決のさらなる大展開あり。シンガポールで新婚旅行、二組の男女の心理が交錯したすえに……。トロフィー凶器の殺人に、ミステリ史上前代未聞の仕掛けが! 包丁研ぎが巧みな女のもとに昔の男が訪れ、切れた二人の関係は一転し……。六編のどんでん返しが、あなたを夢中にさせる。
『自薦 THE どんでん返し』『自薦 THE どんでん返し2』に続く第三弾。どんでん返しフェイバリストに送る、新たなどんでん返し!(解説より)です。今回は「新進気鋭の作家に新作を書いてもらう」がコンセプト。天祢涼も「新進気鋭の作家」としてお声がけいただきました。自分以外の顔ぶれがキン肉マンスーパーフェニックスチーム並に豪華なので恐縮ですが、光栄なことです。
帯がつくとこうなります。解説は、評論家にして編集者の関根亨さん。作品のネタバレを避けて内容を紹介しつつ、各著者の経歴を紹介してくださってます。気に入った著者のガイドブックとしても必読ですよ。
天祢涼が寄稿した短編は「居場所」。今年3月、『小説推理』に寄稿した小説です。
大筋は変わっていないのですが、今回の収録に当たっては文章を見直すとともに、地名を現実のものに差し替えました。『希望が死んだ夜に』で初めて実在の地名を使ったところ、作品によってはこの方が書きやすいと実感。ゲラになった「居場所」も、読み返しているうちに「元受刑者の更生という現実の問題が出てくるんだから、現実の地名にするべきだ」と判断しました……ゲラ戻しの締め切り前日に。
話の展開上、駅近辺に長いエスカレーターがある場所でないといけない。また、それなりに賑わっている場所がいい。締め切りが迫る中、必死にさがして見つけたのが小田急線相模大野駅でした。エスカレーターがあるのはわかったけど降りたことがない駅なので、急遽お出かけ。相模大野駅近辺で写真を撮りまくり、雰囲気をつかんで帰宅。ゲラに赤字を入れました。
その甲斐あって雑誌版よりクオリティーが格段に上がり、満足のいくものになりました。でも本当は、こんな行き当たりばったりなことはするべきじゃないと思うんだ(^_^;)
「居場所」が気に入っていただけたなら、ぜひ『希望が死んだ夜に』もお読みいただければm(_ _)m 自分の中では同じタイプのスタンド小説だと思っております。
「純粋にどんでん返しだけを味わいたい」という方には『葬式組曲』を、「もっとライトなノリのどんでん返しを読みたい」という方には『透明人間の異常な愛情』を自薦します。
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『透明人間の異常な愛情』は「こんなのミステリじゃない!」「フェアなミステリ。だまされた!」と両極端な感想をいただいていて、作者としてはおもしろいです。