『希望が死んだ夜に』の装丁をご担当くださった文藝春秋デザイン部の関口信介さんが、先月初旬、急逝されたそうです。SNS上では既に情報が流れていたようですが、私は昨日知りました。
『希望が死んだ夜に』は、おかげさまで口コミでじわじわ評判が広がっております。手前味噌ですが、内容には自信がありました。でも、この表紙でなければ、読者さんが手に取ってくれたかどうかはわかりません。実際、ネット上では「表紙がよかった」「表紙に一目惚れした」という書き込みをよく見かけます。
現行のものに決まるまで、関口さんはいくつも候補写真をあげてくださいました。その中から選ばれたのが、この一枚。写真家・青山裕企さんの作品から拝借したものですが、関口さんのお力により、「この本のために撮り下ろしたんですか?」と訊かれるくらい、『希望が死んだ夜に』の内容を象徴するような装丁に仕上げていただきました。本当に感謝しております。
実は担当さんから、関口さんの装丁に関して「ある特徴」を教えてもらいました。書店で文藝春秋の本を見て、その特徴を見つけて装丁家の名前を確認するとやっぱり関口さんで、『希望が死んだ夜に』同様すばらしい装丁で、「この人に俺の本をつくってもらったんだよなあ」とニヤニヤするのが最近の密かな楽しみでした。
また機会があったら、ぜひ装丁を担当していただきたかったし、直接お礼も申し上げたかった。
ご冥福を心よりお祈り致します。