昨日は新作『風林火山(仮)』の資料を読むため、午後はパソコンの前から離れていたミステリ作家・天祢涼です。その時点ではegword Universal 2.1αの開発ビルドは310でした。
そして今朝起きて見てみたら、ビルドが一気に進んで313に。半日の間になにが!? 物書堂さん、働きすぎですよ!!(笑)
313での変更点は次のとおりです。
- Safariから画像をドロップできない不具合を修正しました。
- 大きなTIFFイメージがペーストされた際にはJPEGに変換して保持するようにしました。
- リッチテキスト等に書き出す際に、傍点もルビと同様に「ぼうてん《﹆﹆﹆﹆》」のように書き出すようにしました。
これを見たとき、思わず声を上げてしまいました。傍点がルビと同様に書き出せる……これは天祢涼に多大な恩恵をもたらす機能だからです。
以下、どういうことか画像とともに解説します。画像は『透明人間の異常な愛情 ニュクス事件ファイル』の実際の入稿データです。
天祢涼はegwordで実際の行数・文字数に合わせて執筆しています。入稿のときは、このegwordデータをPDF化したデータと、テキスト化したデータの2種類を担当さんに送ります。
PDFで赤くなっているのは、ルビや傍点(圏点)を振った場所。言ってみれば入稿指定書の代わりのようなものです。このやり方で入稿するようになってから2年ほど経ちますが、特に事故はないので問題ないのでしょう、たぶん。
これまでのegwordでは、テキストデータにしたとき、ルビは《 》に囲まれて書き出されました。上のテキストデータの画像で言うと、赤線を引いた「道明寺《どうみょうじ》一路《いちろ》」の部分ですね。
が、傍点に関してはデータが保持されません。egword上で傍点を振ったテキストを書き出しても、なんの表記もなし。そのため、Hagoromoで赤色のフォントを検索、テキストデータにいちいち《圏点》と書き込まなくてはなりませんでした。
上のテキストデータの画像で言うと、赤線を引いた「それを握っている者の姿は、ない」の「ない」の部分です。自動でこう表記されるのではなく、一つ一つ手打ちでやっているのです。
短編の場合はそんなに苦労はないのですが、長編となると結構な手間でした。400字詰め原稿用紙500枚以上はありますからね。見落としもありうる。
それが今回のアップデートから、こうなりました。
つまり今後はもう、いちいち赤字を検索して「圏点」と手打ちしないで済むわけだ。やった!\(^◇^)/
「egword Universal 2.1では新機能の追加はない」と聞いていました。これを「新機能」と言ってよいのかはわかりませんが、私にとっては画期的な機能です。作業効率が大幅に上がることは間違いありません。
この調子でJedit XやScrivenerのようにウインドウ分割機能もお願いしたいなあ……って、まずはリリースしていただくことが第一だから無茶ぶりですね(^_^;)(将来的には期待しております)
以上、傍点の書き出しができるようになったことで狂喜乱舞している物書きがいることを世に広めたくて(笑)、この記事を書きました。いやー、地味だけど本当に助かる機能だわ、これ。
天祢涼のegwordに関する思いの丈を綴った記事に関しては、こちらの一覧をご覧ください(「かわせみ」に関する記事もあり)。