若草書店さんに最後のご挨拶に行ってきた(前編)

来月19日で閉店してしまう奈良の若草書店さん。何度も書いているとおり、天祢涼は大変お世話になりました。閉店前に「ぜひ、ご挨拶にうかがいたい!」とお願いしたところ店長さんに快諾いただき、先日の姫路取材の帰りに奈良まで行ってきました。

『希望が死んだ夜に』がフェア対象作品に!

若草書店八木駅店さんに行くのは、今回が3回目。前回が2017年3月だから、およそ1年ぶりの訪問です。普段の眼鏡姿がオタクっぽいと評判なため、大和八木駅のトイレでコンタクトレンズに替えるつもりだったのですが、時間がなくてそのままGO。店長さんなら別にオタク眼鏡顔を見られても構わないし、小説家は顔で勝負しているわけじゃない!ですしね。

今回も店長さんは、快くお出迎えしてくれました。

実は現在開催中の「隣の日常」フェアで、拙著『希望が死んだ夜に』『リーマン、教祖に挑む』がピックアップされていると聞いていました。このフェアは、もともとは新年度を間近に控え、「新生活応援フェア」という趣旨で企画されていましたが、なぜか「隣の人がなにやってるかわからないよね」「こわいよね」という話になり、「隣の日常」という若干ホラーがかった(?)フェアになったそうです。

天祢涼「SNSでなにも言ってなかったけど、まだフェアは始まってないんですか?」
店長さん「もうやってます!」

そう言って店長さんが指さした先にあったのがこちら。

若干じゃなくガチでホラーだった 

天祢涼「なんで新生活応援がこうなったんですか!?」
店長さん「安定の大暴走ですから!」

それにしたって暴走するにもほどがあると思います。

とはいえ、店の入口付近に自分の本が2作もあるのはありがたく、許可をもらって写真をぱしゃぱしゃ。「こんな気合いの入ったフェアなのに、なんでSNSで宣伝しないんだろう?」と思っていたら、ちゃんと理由があったのです(後編で伏線回収予定)。

人気作品に混じって、『探偵ファミリーズ』も展示いただいておりましたm(_ _)m

店長さんとは今回も雑談

作家が書店を訪問すると、自分の作品のアピールをすることが多いようです。当然、天祢涼もそうしました。店長さんからは「『希望が死んだ夜に』がすごくよかった」と言ってもらえました。閉店間近のいまの心境を語ってももらいました。

が、真剣な話はそれくらいで、あとは概ね雑談。

「アニメで『寄生獣』を知った知人に、広川が××だということをずっと黙ってるのが大変だった」だの、「東野圭吾作品はどれがおもしろいか」だの、「奈良を舞台にした小説がもっと増えてほしい」だの、メフィスト賞作家の話だの……もう完全に、ただのオタク仲間の会話でした。店長さんとは毎回こんな感じなんですよね。いやー、楽しかったわ(笑)。

当方が持参したフリーペーパーもお渡しし、お土産もいただいてありがたいかぎり。旅の最後にいい思い出をいただきました。

同時に、若草書店さんがなくなってしまうことが改めてさみしくなりました。

気合いの入った、本当にいい本屋さん

若草書店店内は、活気にあふれています。

このフェアの骸骨は、バイトさんが「つくっていいですか?」と言うので、好きにさせたらできあがったそうです。

東野圭吾愛があふれすぎているポップ。

Fate愛にもあふれている。

こんな風に店員さんがいろいろつくっている書店は、減少傾向にあるそうです。その数少ない書店の一つがなくなってしまうのは、本当に本当にさみしい。近くだったら絶対に通い詰めているのに……と残念な思いです。店長さんと話せば話すほどかなしくなるのを感じつつ、お店を辞しました。

が、話はこれで終わりません。

そのまま京都に行って、新幹線に乗車。夕飯代わりの駅弁を食べてから、いただいたお土産を開けた天祢涼は見ました……この世に二つとない、衝撃の一品を。

新幹線の中から思わずツイートしてしまった理由とは? 次回、すべての謎(?)が明らかに!!

(後編に続く)

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ABOUT US
天祢 涼
あまね りょう
第43回メフィスト賞を受賞してデビューしたミステリー作家です。代表作は次回作。読んだ人の胸を抉るようなミステリー、胸きゅんラブコメなミステリーを世に送るべく日夜模索中。このブログでは仕事情報のほか、MacやiPhoneのネタ、猫写真などをアップしております。