大先輩作家・辻真先さんから新刊『深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説』をいただきました。ありがとうございます!
昭和12年(1937年)5月、銀座で似顔絵描きをしながら漫画家になる夢を追いかける那珂一兵のもとを、帝国新報(のちの夕刊サン)の女性記者が訪ねてくる。開催中の名古屋汎太平洋平和博覧会の取材に同行して挿絵を描いてほしいというのだ。華やかな博覧会を楽しむ最中、一報がもたらされた殺人事件。名古屋にいた女性の足だけが東京で発見された!? 同時に被害者の妹も何者かに誘拐され──。名古屋と東京にまたがる不可解な謎を、那珂少年はどんな推理を巡らせて解くのか? 空襲で失われてしまった戦前の名古屋の町並みを、総天然色風味で描く長編ミステリ。(東京創元社さんのサイトより)
内容紹介は上記のとおりですが、帯(裏面)にはこう書かれています。
名古屋汎太平洋博覧会とは
昭和12年(1937年)3月15日から5月31日まで、名古屋市主催のもと開催された博覧会。29の国と地域のパビリオンから成る戦前の日本最大規模の国際博覧会として、480万人以上の客を集めた。その一人が、幼き日の辻真先である。しかし、“平和”を謳ったためか、東京などではほとんど報道されなかったという。この博覧会から2カ月足らずのうちに、日本は長い戦争の時代へと突入していく──。
巻末に掲載された参考資料の数もすごい。どうやらこれは、心して読まなくてはならない小説のようです。読むのは遅い方なのですが、時間をつくってじっくりと拝読したいと思います。