眼前で自分の本が売れたらヒットしている証拠──そんな都市伝説を聞いたことがあります。どこで聞いたか忘れたし、天祢涼以外知っている人に会ったことがないので、どれだけ一般的な都市伝説なのかはわかりません。そもそも自分がどこで聞いたのかも覚えてないし(^_^;)
それはともかく、「自分の本を買ってもらう瞬間に立ち合う」というのはなかなかないこと。これまで地元はもちろん、方々の書店に顔を出している天祢涼ですが、その瞬間に遭遇したことは一度もありません。一度でいいから、そういう場に立ち合いたい!
その願いが、大阪で叶いました。
先週の金曜日(17日)、樟葉にある水嶋書房さんにご挨拶に行ったときのこと。
樟葉には、くずは駅店とKUZUHA MALL店の二店があるのですが、ONE TEAMということで、KUZUHA MALL店さんのバッグヤードで両店舗さん用のサイン本をつくらせていただきました。
その最中のこと、レジにいた店員さんがバッグヤードに駆けてきてこう言いました。
「レジで『希望が死んだ夜に』を買おうとしているお客さんがいるんだけど、サインしてもらうことはできますか」
状況がわからないまま、「はい、もちろん。よろしければ名前も書きます!」とほぼ衝動的に答えると、店員さんは再びレジに行ってくれて(お手数おかけしました)、お客さんに意思確認。お客さんの名前を訊いてきてくれました。
「デビューして10年目だけど、こんなことは初めてだ!」
「すごいタイミングですね」
などとスタッフさんと話しながらサインしているうちに謎のテンション上昇が起こった天祢涼は、すっくと立ち上がり一言。
そしてサインしたばかりの『希望が死んだ夜に』を持ってレジまで駆け、お客さんと握手。サイン本を渡した上に、一緒に写真も撮ってもらいました(すべて実話。水嶋書房のスタッフさんが証人)。
スタッフさんからは「天祢さん、喜びすぎ」と笑われましたが、うれしかったんだから仕方ない(笑)。こんなことは滅多にないですからね!
お買い上げいただいた方、ありがとうございました。写真の自分がうれしすぎて棒立ちでなんとも形容しがたい妙な表情をしていますが、それもいい思い出です。作家人生初の経験、一生忘れませんm(_ _)m
ONE TEAMである樟葉駅の水嶋書房さんでは、『希望が死んだ夜に』をオリジナル帯で展開中(ありがたいです)。『境内ではお静かに』も置いていただいてます。前述のように、どちらのサイン本もあり。お近くの方はぜひ!