ずっと前に購入してから積読になっていた「ライトノベル史入門 『ドラゴンマガジン』創刊物語 狼煙を上げた先駆者たち」(山中智省さん・著)を読み終えました。
いやー、おもしろかった! 天祢涼は『スレイヤーズ』に育ててもらったオタクですからね。そのままこの世界から抜け出せず、小説家にまでなってしまったのだから『スレイヤーズ』を生み出した『ドラゴンマガジン』に興味がないはずないのです(笑)。
本書のように一つのライトノベル雑誌を一冊丸々使って研究・分析した本はなかなかないと思います。膨大な資料に当たったことが随所にうかがえる。それはもちろんすごいことなのですが、個人的には創刊当時の関係者へのインタビューが興味深かったです。
もっと言えば「うらやましい」。
一つの雑誌を生み出し、軌道に乗せるには並々ならぬ苦労があったのでしょうが、それ以上に、お祭りが始まる前の高揚感というか、雑誌が最先端だった時代の熱量というか、そういった空気感があったことが本全体から漂ってくるんですよ。天祢涼はこれまで「雑誌の創刊」に立ち合ったことはないし、このご時世では今後、「雑誌(特に小説誌)の創刊」というのはなかなかないと思います。そこから「うらやましい」という感情が生まれました。
そういった「空気感」を伝えてくれた著者の山中さんに、心から御礼申し上げます。非常におもしろく拝読しましたm(_ _)m
『スレイヤーズ』『魔術士オーフェン』といったタイトルに惹かれる人、ライトノベル史に興味がある人は間違いなく楽しめる一冊です。
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