いまさら言うまでもありませんが、天祢涼は書くのが遅いです。速筆の作家に憧れています。
全員ではないけど、自分が憧れる「速筆作家」はポメラを使っていることが多い。キングジムが出している、本当にメモしかできない例のアレです。何年か前にDM100(2011年に出た現行機種より古いやつ)を中古で買ってみたのですが、Evernoteとの同期がうまくできなくて長いことしまっていました。でも「ポメラで書けば速筆作家になれるかも?」と思って前線復帰。試してみました。
で、結局、挫折しました……メインで使うのは。
以下、自分がポメラ使い(ポメラニアン)になれなかった理由を列記します。ポメラニアンを否定しているわけではありません。むしろ、ポメラニアンになりたかったのになれなかった……と忸怩たる思いを抱いていることをご理解ください。
1 「かわせみ3」が好き
いや、「ポメラを使ってみよう!」と企図していながら、そもそも論甚だしいのですが。
天祢涼がMacで小説を書くときに使っているのは「かわせみ3」。これが軽快だし、カスタマイズの自由度が高いし、iCloud経由で辞書だけでなく学習履歴も同期してくれるしで、とにかく最高なんですよ。かれこれ10年以上使っていて、何度かほかに乗り換えようと思ったこともあるのですが、結局は戻ってきてしまう。
DM100はATOKなので、「かわせみ3」が使えません。使っていると、どうしても「かわせみだったら……」と思ってしまう。これはもう、ポメラの問題ではありません。自分が「かわせみ3」が好きすぎることがいけないのです。
2 タイプミスが多い
天祢涼はタイプミスが多いです。運指が独学で、実は未だにブラインドタッチもできないです(頻繁にキーボードに視線を落としている)。「かわせみ3」の補正機能にだいぶ助けてもらってます。
ポメラDM100には補正機能も、予測変換の表示も一切ありません。結果、ミスタッチを連発。正確に(とまでいかなくてもかなり正しく)タイピングできる人向けのガジェットではないかと思いました。
一応、言い訳しておくと、天祢涼のMacのキーボードはUS配列なので、JIS配列のDM100とは異なります。また、中古で買ったせいかチャタリング(1回しかキーを押してないのに2回押した扱いされること)が異様に多い。これもDM100で書くとタイプミスが多い一因だとは思います。
3 構成を考えながら書くのが難しい?
これが一番の問題なのですが。
天祢涼は小説を書くとき、まず全体の構成を考えてから書き始めます。この構成は、書いているうちにどんどん変わっていきます。登場人物の性別が変わることはザラ、最初の構成が原型をとどめなくなることも珍しくありません。
Scrivener 3に慣れていると、ポメラで構成を練り直したり、順番を入れ替えたりするのがかなりの手間。タッチパネルではないし、マウスも使えないので、カーソルキーで前の方に遡らなくてはなりません。これがストレス。途中から「どこを直せばいいんだっけ?」「ここ直しただっけ?」などと混乱することに。
とても長い小説は書けません。
思うに「最初から構成が決まっていて、あとは書くだけ」ということができる人向けのガジェットなんじゃないかな、ポメラは。自分のように「書きながら考える」タイプには向かないのかも……と思うのですが、ポメラニアンに話を聞いたことがないのでわかりません(機会があったら、どうやってポメラを使っているのか教えてほしい!)。
1と2はなんとかできるかもしれませんが、3は自分の執筆スタイルには致命的。結局、ポメラをメインマシンにすることは断念せざるを得ませんでした。
……と、ここまで書いて気づいたのですが、天祢涼の筆が遅い最大の原因は3、「書いているうちに構成がころころ変わること」なのかもしれません。昔と違ってかなりきっちり決めてから書くようになったので、大幅修正はだいぶ減ったけどね。それにmonokakiさんの取材でも似たようなことを話したけど、おもしろいアイデアが浮かんだからブレるんだ!と開き直ってますし。
結論・天祢涼の筆が遅いのは道具の問題ではく、頭の構造の問題。それでも少しでも速く書ける方法を模索中だぜー!