昨年末、『ジャーロ』の取材で我が家に来たライターの遊井かなめさんがプリンタを見て「こんな立派な機種を持っている小説家はあんまり見たことがない」と驚いてました。自分としては当たり前にあるものなので、あまり意識してなかったのですが、せっかく驚いてもらったので(笑)、天祢涼の仕事に欠かせないプリンタMFC-J6997CDWをご紹介。
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リンク先のスペックからわかるとおり、でかいです。値段も、買った時点で8万円以上した、今時なかなかお高いプリンタ。フリーペーパーをはじめ、販促物をいろいろ自作している天祢涼にとっては、これくらいパワーのあるプリンタの方が助かるのですが。
購入したのは2018年暮れ。『境内ではお静かに 縁結び神社の事件帖』単行本版のフリーペーパーを打ち出している際、当時使っていたプリンタから異音が発生したため、慌てて購入しました。
MFC-J6997CDWのメリット
前述のように本体価格は高いのですが、長い目で見たらお得かもしれません。理由は大容量インク。
ここ数年、いろんなメーカーが採用し始めている、一度取り替えるだけで2000枚とか、3000枚とか印刷できる大容量インク。ブラザーの場合は「ファーストタンク」と呼んでいるようです。
MFC-J6997CDWはこれを採用した機種。2年半使って、新刊を出す度にフリーペーパーを200枚近く打ち出しているし、年賀状も大量に刷ってますが、これまでインクは一度取り替えただけです。
インクを買い替えなくて済むのでランニングコストはかからないし(ただし替えのインクは安くないので注意)、なにより気楽です。しょっちゅうインク切れを起こしてその度に家電量販店に行くのって、いま思うと結構なストレスだったなあ、と。
もう一つのメリットは、A3サイズの用紙までスキャナで取り込めること。単行本のゲラはB4サイズで来ることが多い。なにかあったときのために控えを取っておきたいのですが、通常の家庭用プリンタに搭載されたスキャナは、A4サイズまでしか対応していないことがほとんど。
MFC-J6997CDWはこの問題を克服してくれます。
ここにゲラをセットして、あとは自動的に取り込む設定にしておけばOK(ADFというやつです)。担当さんから確認の連絡があったときは取り込んだデータを見ればいいし、万が一の紛失にも対応できます。
プリンタとしての基本機能は微妙
とまあ、ここまで絶賛してきたMFC-J6997CDWですが、プリンタとしては致命的な欠点もあります。それは印刷の際、紙が複数枚送られてしまう「重送」が頻繁に起こること。
少し厚みのある紙ならそれほどでもありませんが、普通のコピー用紙の場合、1枚しか打ち出してないのに3、4枚一気に排出されることはざら。重なるだけならまだいいのですが、1ページが2枚にわたって印刷されて、紙が無駄になることも珍しくありません。
カラー印刷ならそこまでひどくないのですが、モノクロ印刷だと「紙を送る速度が上がる→重送が増える」というコンボが多発。仕方ないので、自分の小説のゲラ(モノクロ)を打ち出すときも、わざわざカラー印刷にしています。
MFC-J6997CDWの前に使っていたブラザーのプリンタにも、この欠点がありました。ブラザー固有の問題なのかもしれません。
ちなみにその前に使っていたキヤノンのプリンタは、重送はほとんどありませんでした。キヤノンはADFがA4までしか対応している機種がないのでブラザーに乗り換えましたが、大容量インクでA3のADFに対応した多機能プリンタをキヤノンがつくってくれたら再び乗り換えるかもしれません。
基本的には満足している
重送という致命的な問題があるものの、「そういうもの」と割り切ってしまえばそこまでストレスではありません。印刷に失敗した紙はメモ用紙にして、小説のアイデアを書き出すのに使ってますしね。
「大容量インクでA3までスキャナ対応」という希少機種なので、買ってよかったと思っています。小説だけでなく、フリーペーパーや豆色紙を自作している小説家にお勧め!……いや、そんな人はそうそういないだろうけど(^_^;)
なお、冒頭の遊井かなめさんが取材してくれた記事が掲載された『ジャーロ』は好評発売中。天祢涼の仕事場や執筆環境に興味がある人は、ぜひお読みください!