先日、八重洲ブックセンター本店さんで『葬式組曲』の単行本(2012年1月発売!)のサイン本をつくらせてもらった記事を書きました。
こちらのサイン本は、なんと昨日時点で完売したそうです。9年半前に出した本にサインをさせてもらっただけでもありがたいのに、まさか全部売り切っていただけるとは……!
買ってくださった方はもちろん、売ってくださったスタッフさんにも御礼申し上げますm(_ _)m
以下、『葬式組曲』に関して思うことを少々。
この小説は10年近く前に書いた本なので、いま読むとかなり粗削りです。「いまの自分ならこうは書かないな」「ここはもう少し書き足せるな」と思うところもあります。
一方で、よくも悪くも書きたいものが変わってきたので、このタイプのミステリーはいまの自分にはもう書けないとも思います。
その前まではラノベ的なミステリーしか書いていなかったので「こういうものも書けるのか」と思ってもらえるきっかけになった小説でもあり、初めてランキングや賞レースに取り上げられた小説でもあり、その割にセールス的には「爆死」だった小説でもあり(苦笑)……いろんな思い出がある小説です、『葬式組曲』。
現状、文庫版の移籍先はまったく決まってないのですが、仮に手をあげてくれる版元があったとして、「現在の天祢涼」がリライトするのか、「10年前の天祢涼」が書いたままでいくのか……どちらが正解なのかもさっぱりわかりません。
これも移籍先をさがしていない理由の一つだったりします。