推理小説家の大先輩・光原百合さんが今月24日未明、お亡くなりになりました。
光原さんとは、2013年の本格ミステリ作家クラブのパーティーで初めてお会いしました。
光原さんは本当に優しくて、デビュー仕立てで緊張しまくっていた自分にパーティーであたたかく声をかけてくれました。何かの弾みで大河ドラマ『平清盛』の話になって盛り上がり、「何故あの名作の視聴率が悪いんだ?」とぶつぶつ言い合ったり。『鎌倉殿の13人』の話をできないことが残念でなりません。 https://t.co/nDq7CpM1Kx
— 天祢涼@新刊『拝啓 交換殺人の候』発売中 /『葬式組曲』文春文庫版11月発売 (@amaneryo_on_tw) August 29, 2022
昨夜このようにツイートしましたが、当時のメールを確認したところ、私の方からお声がけしたようです。どうお声がけしたのかは覚えていませんが、緊張しまくっていた自分にあたたかく対応してくれたことは覚えています。ちなみに、この年の本格ミステリ大賞候補作になっていた関係で『葬式組曲』を読んでくれていたのですが、天祢涼を女性だと思っていたそうです。
そのときに大河ドラマ『平清盛』の話で盛り上がり、パーティーで顔を合わせると大河トークをするようになりました。『平清盛』については「すばらしい作品なのに、なぜ視聴率が悪かったんだ」と何度も不平不満を言い合ったり、原因を分析したり。
コロナ禍になってからパーティーもなくなり、やり取りする機会もすっかり減ってしまいました。最後にお話ししたのは『いだてん』のことだったと記憶しています。
今年やっている『鎌倉殿の13人』のお話はできないのかと思うと、本当に残念です。
もう一つ残念なのは、作品のお話ができなかったこと。
もう何年も前に読んで、「おもしろかった」という記憶しかなくて著者名もタイトルも覚えていなかった小説が、光原さんの作品だと亡くなってから知りました。もっと早く気づいていれば、お話しできたのに……。
光原百合さん、人見知りの自分に優しくしてくれて、本当にありがとうございました。ご冥福をお祈りします。