いろいろあって、11月11日(土)の文学フリマ東京37に谷津矢車さんと「天七谷書店」として出店します。
初出店で人がどれだけ来るか読めないのと、つくる時間がないので、今回、来場者特典はなし。本当は短編集とか、『境内ではお静かに』の中編とか書きたかったんですけどね。
その代わり!
既に版元品切れで新刊では入手困難な天祢涼の上記書籍を1冊500円で販売します。すべてその場でお名前入りサイン本にする予定。一度もサイン本をつくったことがない本もあるので、この機会にぜひ!
転売防止のため、「名前を書かなくていい」という人には問答無用で「名無しのごんべえ」と書かせていただきます。
以下、販売書籍の簡単な解説。
上記写真の冊数がすべてです。完売の場合はご了承ください。
銀髪少女は音を視る ニュクス事件ファイル/透明人間の異常な愛情 ニュクス事件ファイル
『キョウカンカク』から始まる美夜シリーズの「もう一つの形」。講談社タイガが創刊されたばかりで、レーベル色を自分が理解できないまま手さぐりで書きました。「いまならこうは書かない」本の典型ですが、手さぐりしただけにぶっ飛んだ方向に走ったので、これはこれでおもしろいのではないかと。
ただ、「年下の女の子ががんばる話」は『境内ではお静かに』シリーズでやって満足しちゃってるので、このシリーズを今後どうするかはまったくの未定。某書店さんの特典で少し書いたとおり、密かにあたためている構想はあるんですけどね。
彼女が花を咲かすとき
花をテーマにした連作短編ミステリー。花がかかわる事件に、謎めいた少女「美咲」が現れ、視点人物たちに力を貸してくれます。
あまり話題になりませんでしたが、高く評価してくれる人もいて、この本を機に天祢涼を応援してくれるようになった人もいます。これが『希望が死んだ夜に』につながった、という声もあり。昨年、遂に品切れになりました。サイン本で入手できる機会はこれを逃したら当面ありません。
ちなみに『境内ではお静かに』シリーズと同一世界線のお話で、登場人物のその後が『境内ではお静かに 縁結び神社の事件帖』にちらりと出てきます。
議員探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ/都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ
『希望が死んだ夜に』で天祢涼を知ってくれた人には信じられないかもですが、数年前の天祢涼は「コメディな小説を書く作家枠」でした。というわけで、この本も天才かバカかわからない世襲議員に振り回される堅物秘書という、いまとなっては書かせてすらもらえない設定のドタバタ劇です。
でもミステリーとしてはしっかりしていて、『本格ミステリ・ベスト10』で20位以内に入ってたりします。特に『都知事探偵・漆原翔太郎』は、「よくこんなこと考えたな、俺」と自分で自分をほめたいレベルでミステリーしてる(笑)。
リーマン、教祖に挑む
天祢涼史上最も「怪作」。宗教団体をつくって大儲けしようとする教祖と、そうはさせじとするサラリーマンのお話です。売れ線の設定を敢えてはずした結果、まったく売れなかった。悪い小説じゃないんだけどね(苦笑)。でも若者の苦労とか、格差社会とか、今日の天祢涼の原型が詰まっていると言えないこともないかもしれない……たぶん。
ちなみに発売したのは、『希望が死んだ夜に』単行本版と同じ2019年9月です。
隣接で八咫烏書房(青木杏樹、金子ユミ、森山光太郎)、下町男塾(梶永正史、伽古屋圭市、七尾与史、鷹樹烏介)が店を並べています(敬称略)。当日お越しいただけるかたはぜひ!
これを機に話題になって、また版元が刷ってくれるといいなあ(遠い目)