本記事で購入したものはすべて自腹です。
「キーボードなんて文字を入力できればなんでもいいじゃん」
そう思っていた時期が俺にもありました
というわけで迷いに迷った末に買ってしまいました、キーボードの最高峰の一つ(と言われているらしい)Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S!(以下、HHKB)。
ほしいと思った理由
天祢涼はこれまで、ずっとApple純正Magic Keyboardを使ってきました。ハンズで加工したアクリル板を使ってオリジナルのキーボードスタンドをつくってMagic Trackpadと組み合わせてノートパソコンと同じ感覚で作業できるようにしてきました。
上記の記事の後、Magic TrackpadがこわれたのでMagic Trackpad 2に買い替えて、キーボード台もつくり直しました。
この環境でまったく問題も不満もなかったのですが、最近、お仕事のご依頼が増えて机に向かっている時間が長くなってきたせいか、MacBook ProとMagic Keyboard、同じ環境で仕事を続けるのが辛くなってきました。要は「飽きやすくなった」ということです。自分でも贅沢だとは思うけど、こればっかりは仕方がない(笑)。
もう一つ理由をあげると、Magic Keyboardをアクリル板に置いて使っているせいか打鍵感が硬めで、長時間文章を書いていると手の甲に「凝り」を感じるようにもなってきました。
飽きやすいことと、手が凝ること。2つを一気に解決できるのが打鍵感が違くて、「疲れにくい」という触れ込みのキーボードを購入することなのでは? そう思っていたところ、前々から気になっていたHHKBの購入を本気で検討するようになりました。
が、一旦は購入を見送りました。
キーボードが36850円!?
購入を見送った理由、それはHHKBの価格。購入を検討した2023年9月時点での最新機種が36850円。Appleのキーボードも「割高」と言われることはありますが、それでも上位機種だってそんなにしない! 一昔前だったらiPodを買えちゃうお値段だぞ!
「さすがにキーボードにこの値段は出せない」と判断せざるを得ませんでした。もちろん、これで仕事が捗るなら全然問題ないんですよ。「36580円の元を取るくらい仕事したり、自己研鑽したりするぜ!」と自分を発奮させればいいわけですから。14インチ M1 Pro MacBook Pro も、そういうつもりで買ったんですから。
が、36580円のキーボードを買って自分に合わなかったら……いや、もう考えるだけで震るね(^_^;)
特にHHKBのUSキーボードは矢印キーがないという思い切った仕様。使いこなせるかどうかはわからない。
「JISキーボードなら矢印キーがないから乗り換えればいいじゃん」というご指摘もあるかもですが、MacBook ProがUSキーボードなのでちょっと難しい。
実機で確認するという手もありますが、店頭でちょっと触ってみただけでは自分に合うかどうかなんてわかりません。
というわけでHHKBの購入は断念……してしばらくしてから知ったのが、「ゲオあれこれレンタル」でした。
HHKBが10日間使える「ゲオあれこれレンタル」
「ゲオあれこれレンタル」は、文字どおりゲオが運営しているサービス。いろいろなものをレンタルして、購入するかどうかの判断に使っていいという大変ありがたいサービス。HHKBも対象になっていて、9泊10日3980円でレンタルできます。しかも気に入ったら、3980円引きで購入できる。つまり購入する場合、レンタル料金は実質無料。
詳細はこちらをご覧ください。
「3980円ならテストの許容範囲かも……」と思いつつ、ケチなので(笑)やっぱり迷ったのですが、思い切ってレンタル。遂にHHKBを入手(仮)しました。
7日目で購入を決めた理由
憧れのHHKBがキター!とテンションが上がったものの、なんとも使いにくい。矢印キーもファンクションキーもなくて、fnキーを押さないといけない仕様に思いのほか苦戦……したのは最初の数時間だけで、すぐに慣れました。同じUSキーでもMacBook Proと若干配列が違うので、「HHKBに慣れたらMacBook Proが使えなくなるのでは」と思っていましたが、そちらも杞憂。少し使っただけで、あっさり併用できるようになりました。
併用する場合、deleteキーの位置が違うので何度かタイプミスをしますが、すぐにコツを思い出します。
とはいえ、「36580円の価値があるかと言われたら、ぶっちゃけない」と思い、5日ほど使ったところで購入しないことに決定。Magic Keyboardをメインに戻しました。
ところがどっこい
6日目、Magic Keyboardだけで仕事をしていたら、HHKBの打鍵感と打鍵音が恋しくなるという予期せぬ事態に。これは使った人にしかわからないと思いますが、HHKBの打鍵感と打鍵音って中毒性があるんですよ。ちょっと離れているだけで「あの感覚をまた味わいたい」と思うというか、「HHKBぃぃぃ!」と叫びたくなるというか……とにかくヤバいんだよ、HHKBは!←小説家とは思えない語彙力のなさ
我慢できなくなって6日目の夜、HHKBを再使用。やっっぱり36580円の価値があるかはわからない。でも、ずっと触っていたい価値は間違いなくある! 一晩経ってもその思いは変わらなかったため、7日目にして購入を決めました。
買った色は「雪」。「墨」とどちらにするか迷ったのですが、HHKB使いの友だちから「墨は刻印がほとんど見えないから完璧にブラインドタッチできないと厳しい」と教えてもらったことが決め手になりました。ちなみに、刻印がはっきり見えた方がいいと思い、レンタルしたのも「雪」でした。HHKBの打鍵感と打鍵音が脳内で「雪」と結びついてしまったのも「雪」にした理由。
購入後に一工夫
というわけで我が家に正式にやってきたHHKB。ただ、レンタルしていたときから感じていたのですが、高さがありすぎてこのままでは使いにくい。ずっと手を浮かせていないといけないので、疲れます。人にもよりますが、パームレストは必要と判断。
セパレート型の、このパームレストを購入。この2つに挟む形でMagic Trackpadを置いて、例によってノートパソコンっぽく使おうとしたのですが、パームレストとMagic Trackpadの間に高低差がありすぎて指が疲れる! なので、
ハンズで手ごろなベニヤ板を加工してもらって下に敷きました。さらに、ゲラを読むときにHHKBとパームレスト、Magic Keyboardを一緒に動かしたいので、まとめてアクリル板に載せることに。なお、このアクリル板は新規に買ったのではなく、押し入れに入っていたもの。なんでそんなものが入っていたのかわからん(笑)。
俺的HHKBの作業環境、ここに完成! 下のアクリル板が大きすぎるのが難ですが、メモやアイデア出しでiPad miniを載せて仕事することもあるので、当面はこのままでいいかな、と。
この環境にしてから、単純に仕事時間が増えました。いま、『謎解き広報課2(仮)』を含め新作のプロットをいくつか考えているのですが、キーを打つのが楽しいので喜々としてカタカタ打ってます。どの仕事もまだ形になっていませんが、買ってよかったです。
なお、Touch IDが使えなくなることに不安もありましたが、意外と使う局面が(自分は)少ないし、使うときは外部ディスプレイに繋いでいるMacBook ProのTouch IDを使えばいいので、この点も事前に心配していたほど不便ではありませんでした。
ちょっと気になっていること
と、絶賛しまくりのHHKBですが、気になる点がないわけではありません。
それは、チャタリング。例えば「A」と一度タイプしただけなのに、「ああああああああ」と連続してタイプしたと判定されてしまう、あの現象です。
HHKBは、ほぼチャタリングは起こりません。ただ、まったく起こらないわけではなく、何日かに一度、忘れたころに発生します。すぐにほかのキーを押せば解除されるし、いまのところ作業に支障はないのですが、これが頻発するようになると相当なストレスになりそう。deleteキーを押したタイミングでチャタリングが起こったらたぶん泣く(^_^;)
現状そんな気配はありませんが、こればかりは長期間使ってみないとなんとも言えません。
マジで買ってよかった!
チャタリングという不安を抱えてはいるものの、それ以外はほぼ100%満足なHHKB。高額な買い物なのでさんざん迷いましたが、本当に買ってよかったです。来週、新製品が出るらしいですが、今後数年間はこのHHKBを使い続けるつもり。
キーボードは好みがあるのでHHKBが合わない人もいると思いますが、気になる人は前述の「ゲオあれこれレンタル」を利用してみてください。自腹購入であって広告費をもらっているわけでないけど(笑)、今回はゲオのおかげで助かりました。
最近、やけにブログの更新頻度が高いのもHHKBを使っていて楽しいからです(笑)。そろそろプロットがまとまってきたので小説の方に比重を戻すけど、この調子でエブリスタの連載も復活させたいな、と。