イラスト:トミイマサコ
装幀:bookwall
発売日:2024年11月8日
定価:710円(税別)
出版社:幻冬舎
よそ者の自分が広報紙を作っていいのかと葛藤する新藤結子。ある日、取材先へ向かう途中で町を大地震が襲う。仕事を再開しようとするが筆は全く進まず、上司・伊達に手伝いを頼むもすげなく断られる。避難所では被災者にけむたがられ、自分の無力さを嘆く結子だったが……。広報紙は大切な人たちを、町を救うことができるのか。シリーズ第三弾!
版元のサイトより
興味がないのに自治体広報紙をつくることになった新人公務員のお話3作目。完結編です。帯がつくとこうなる。
方々で書いているとおり、3作目の構想は1作目を書いた時点でありました。岩手県の広報マンを取材した際、「この人が体験したことの一部でも小説にしたい」と思ったのです。が、1作目がセールス不振で長いこと続きを書けず……。
もう書くことはないと思って、2018年に『月刊「広報」』で取材してもらった際、構想を全部話していたりする。
酒飲み書店員大賞をいただいてなかったら書けないままだったでしょう。改めて御礼申し上げます。
もちろん、酒飲み書店員大賞受賞後に1作目を展開してくれた書店さん、買ってくれた読者さんにも感謝です。この手のミラクルがあることは知っていましたが、まさか自分の身に、それも『謎解き広報課』に起こるとは思いませんでした。
内容に関しては、これまでの天祢涼の小説とは「少し読み味が違う」といった感想もいただいてますが、「これがやりたかったんだよ!」ということをすべて注ぎ込んだので悔いはありません。あとがきに「広報紙のネタは、長編にならない小ネタがある」みたいなことを書きましたが、それも早々に特典掌編として形にしました。
一部書店さんで、3作目サイン本に同梱されている掌編「新藤結子最後の事件」
これでもう、自治体広報紙をテーマにした小説は全部書き尽くしました……映像化してくれるならさすがになにか考えるけど、新規で取材しないといけないから執筆にすごい時間がかかりそう(^_^;)
ちなみに、取材に協力してくださった広報マンのみなさんとはいまもつき合いがありまして。メールやLINEでやり取りをしたり、
昨日のラストは11年ぶりの都城。『謎解き広報課』の取材でお世話になったかたと再会。おいしいお店に連れていってもらって3時間以上話してました。11年ぶりとは思えない(笑)。楽しかったし、『謎解き広報課』の続編を書くモチベーションがさらに上がりました。がんばって書きますm(_ _)m pic.twitter.com/AAO4Cx6qHc
— 天祢涼@『謎解き広報課』シリーズ2ヵ月連続刊行 (@amaneryo_on_tw) May 24, 2024
5月に宮崎に行ったとき、都城まで移動してお会いしたりもしています。都城の人とは11年ぶりの再会で、次に会うのはまた10年後かな……と思っていたのですが、3ヵ月後に宴席で同席した(笑)。
そんないろいろな思いが詰まった小説です。しばらく完結の余韻に浸りたいところですが、1作目が酒飲み書店員大賞をいただいて重版が何度かかかってから沢山のご依頼を頂戴しており、現在、自分史上最大のお仕事数となっております。
というわけで、新たなる戦いに挑んできます(`_´)ゞ
まずは前々から書いている「House of K」「Powers of A」をなんとかしたい(どっちも仮題)。『境内ではお静かに』完結編もなんとかしたい。