新生egword Universal 2が遂にリリース! 完成度が高すぎて、ちょっとした不安も……

egword Universal 2で小説を書いているミステリ作家・天祢涼です。

2018年3月14日、新生egword Universal 2が遂にリリースされました。App Storeから買うことができます。

実は購入できるようになったのは13日の夜から。物書堂さんの公式アカウントから教えてもらいました。

エルゴソフトの解散により10年近く前にサポートが終わったアプリの奇跡的な復活。2、3年前、ちょっとしたネタのつもりで購入して以来、すっかり愛用している天祢涼ですら狂喜乱舞しているのです。10年間騙し騙し使っていたユーザーはどれほど喜んでいることでしょう。

昨年から頻繁にリリースされていたβ版で、バグもあらかた取れましたし、細かな機能も改善されました。個人的にはcmd+Fで検索ウインドウを出した際、カーソルが「検索」のところに最初から入るようになったことがありがたいです(文字だとうまく説明できなくてすまん)。こうしたちょっとした手間が省けるだけで、作業効率が俄然アップします。

天祢涼は使っていないのですが、セクション名を表示できるようになったり、原稿用紙モードの表示が改善されたりと、全般的に使い勝手は相当向上しているようです。

天祢涼はレイアウトモード派なので、原稿用紙モードは使っておりません。

待ち望んでいたユーザーが多かったこともあってか、App Storeでの売上は絶好調。この記事を書いている時点で有料アプリのランキング1位。ユーザー評価も74件中★5が73、★4が1と高評価です(天祢涼も★5をつけました)。

基本は10年前のアプリなので、「いまどき」の機能はありません。例えばHagoromoで実装されている「バージョン」はないし、フォントや文字色で検索といった高度な機能もない。

でも「縦書きで文章を書きたい」という欲求を満たすには充分です。ルビやぶら下がりといった日本語特有の組版に対応しているし、なにより、安定していてストレスがない。いきなり落ちるといったことはほとんどありません。改めて書きますが、egword Universal 2は超オススメです。

4月30日まではリリース記念で、お値段3800円。それ以降は7800円になります。「縦書きで文章を書きたい」人にとってはお釣りが来るアプリです。迷っているなら絶対買った方がいい

……と、絶賛と祝福で終わらせたいところですが、実はちょっとした不安もあります。

egword Universal 2があまりにもすばらしすぎて、物書堂さんが以前からつくっているエディタの行く末が心配。

上記記事にあるように、物書堂さんは以前からエディタの開発に取り組んでいます。しかしegword Universal 2がHigh Sierraで動かなくなってしまったため、わざわざコードの権利を取得し、動くようにつくり直してくれたのが今回のリリース。緊急避難的な対応と言えるでしょう。

が、その緊急避難的なegword Universal 2の完成度があまりに高すぎて、もうこれで充分なユーザーも相当数いると思います。そうすると、せっかく物書堂エディタ(仮)が発売されても移行しない人が出てくるのでは……。

天祢涼がegword Universal 2で唯一不満なのは、Jedit XやScrivenerにあるような「画面分割」機能がないこと。特に長編ミステリを書いているときは、伏線を回収するため頻繁に前のページに戻ります。このとき「画面が分割できて、いま書いているページと前のページを見較べることができたら……」といつも思ってしまうのです。

物書堂エディタ(仮)はこの機能が実装される予定なので、ずっと期待しております。

逆に言えば、egword Universal 2への不満はこれくらい。画面分割機能が実装されれば、もうなにもいらないくらいです(笑)。

記事をアップしてから気づいたので追記
細かいことを言えば「縦書きでもPopClipを動くようにしてほしいなー。横書きだと動くんだし」というのもありますが、うん、本当に細かいね(^_^;)

しかも物書堂さんはユーザーを大切にする会社で、これまでリリースした全iOSアプリをメンテナンスし続け、動くようにしています。egword Universal 2も、この先メンテナンスを続ける可能性が高い。「物書堂エディタ(仮)まで手が回るのか?」という心配もあります。

物書堂エディタ(仮)が発売されても、どれだけのユーザーが移行するのか? そもそも開発の手が回るのか? 新生egword Universal 2があまりにすばらしく、神レベルのアプリなので、ふとそんな不安を抱いてしまったのでした。

まあ、なんだかんだ言っても出たら買うんだけどね、物書堂エディタ(仮)

物書堂さん、egword Universal 2を復活させてくれて、本当にありがとうございました。改めて御礼申し上げますm(_ _)m

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ABOUT US
天祢 涼
あまね りょう
第43回メフィスト賞を受賞してデビューしたミステリー作家です。代表作は次回作。読んだ人の胸を抉るようなミステリー、胸きゅんラブコメなミステリーを世に送るべく日夜模索中。このブログでは仕事情報のほか、MacやiPhoneのネタ、猫写真などをアップしております。