昨日の記事で書いたとおり、『希望が死んだ夜に』が天祢涼史上最速で文庫化が決まりました(版元は文藝春秋)。
ベストセラーになっただとか、映像化が決まっただとかの理由がなく、「口コミで広まって急遽文庫化決定」というのは、なかなかのレアケースだと思います。応援くださった方々に改めて御礼申し上げますm(_ _)m
10連休中は、単行本版を読み返し、テキストデータを直してました。
単行本と文庫でどれだけ変わるのか?
「文庫化でどれくらい修正するの?」とよく訊かれるので、お答えします。なにしろ自分は、デビュー作『キョウカンカク』でほぼ全部書き換えたという「前科」がありますから。
講談社文庫には既に在庫がないようなので、どこかで出し直すときはまた全部書き換えるぜ!←え?
『希望が死んだ夜に』に関しては、おおまかなストーリーを変えるつもりはありません。ただ、文章に関しては細かいところをちょこちょこいじっています。
- 2年以上前に書いた文章なので「いまならこういう書き方はしないな」と思う箇所が多々ある
- 単行本と文庫では行数・文字数が違うので、そのまま文章を流用すると読みづらい箇所がある
この2つが大きな理由。量としては、1ページにつき1、2箇所なので、うん、結構あるね(笑)。
また、視点人物の一人、真壁刑事と大人たちのやり取りで単行本にはなかった要素を加えたり、ある人物の髪型を変更したりする予定(あくまで予定)。
後者に関しては大多数の人にとってはどうでもいいことでしょうし、変更したところで気づきもしないでしょうが、作者としては設定の甘さが目についてしまって……「こうした方が、ヒロインの行動原理にもっと説得力が出る」というか……軽くネタバレになるので奥歯に物が挟まったような言い方で申し訳ない(^_^;)
というわけで、結論は「ストーリーは変わらないけれど、細かい変更点は割とあるよ」です。
アナザーカバーつきで展開中!の書店様
もちろん作者の希望としては「単行本も文庫もどっちも買って読み較べてみてね!」です。それを抜きにしても、単行本版は表紙をめくったときの色がきれいだし、帯のグリーンもすてきだし、「アイテム」として美しいので、断裁される前に一冊でも多くの人に買ってほしいところ。
とはいえ、現実的には「文庫化が決まったなら」と単行本を返本しているお店もあります。これは極めて当然のこと……なのですが。
なんとなんと、文庫化が決まったにもかかわらず、明林堂書店南佐賀店のスタッフ様作成のアナザーカバーを巻いて展開中の書店さんがあります。
それも、一店や二店ではない!(敬称略、順不同)
- 明林堂書店南佐賀店
- 精文館書店豊明店
- 未来屋書店有松店
- 精文館書店おゆみ野店
- 明屋書店厚狭店
- 宮脇書店ゆめモール下関店
- 明林堂書店神宮店
上記以外にも、アナザーカバーなしで展開中のお店もまだまだあり。しかも、なんと未だ売れているお店もあるそうです。なんか、ちょっとすごいことが起こりつつあるんじゃないだろうか……。
未来屋書店さんは、他店に在庫があったら系列店に回してくれるサービスがあるそうです。単行本がほしい方は、ぜひご利用くださいませ。
単行本は、文庫化決定に伴い、重版をかけることなく販売終了になります(昨日も書いたとおり、これに関しては無念です)。文庫版の方が文章の精度が上がっていることは確かですが、単行本版は単行本版で完成したものなので、興味のある方はぜひお買い上げくださいm(_ _)m
文庫化の状況は、今後も折りに触れお知らせしていきます。続報を待て!