先日、某書店さんに行ったときのこと。
女性が一人、天祢涼が書いた『境内ではお静かに 縁結び神社の事件帖』を手に取り、あらすじをじっと見つめていました。これはもしや、天祢涼史上二度目となる「自分の本を買ってもらう瞬間に立ち会うチャンス」なのでは?
ちょっと離れたところでこっそり観察していると、女性は『境内〜』を棚に戻しました。「ああ、残念」と思った次の瞬間、今度は『希望が死んだ夜に』を手に! 『境内』と全然違うタイプの本だけど、それもいい本だよ! レジに持っていこうよ!! 興奮を隠しつつ念を送ってみましたが、ほどなく女性は『希望』を棚に戻しました。
ああ、またも残念……と思いましたが、すぐさま女性は『境内ではお静かに 七夕祭りの事件帖』を手に取った。おお、今度こそ!!! 三度念を送る天祢涼──でしたが、トイレに行くのを我慢していてその時点で限界を迎えたため、その後でどうなったかは不明。残念!
「それ、僕が書いた本ですよ。よければサインしましょうか」と声をかけるような社交性(?)は生憎持ち合わせていませんでした。新型肺炎対策で帽子にマスクで完全防備しているから、どう見ても不審者ですしね(^_^;)
買っていただけたかどうかはわかりませんが、自分の本を手に取ってもらっている時点でうれしいものです。
『希望が死んだ夜に』文庫版、『境内ではお静かに』シリーズ2作は好評発売中。5月には『希望が死んだ夜に』で探偵役を務めた仲田刑事がアリバイトリックに挑むシリーズ第二弾『あの子の殺人計画』が発売予定です。