自分のキャラ設定で必ず決めるもの

先日、天祢涼の某小説を読んでくれた友人から、こんなメールが来ました。

〈この小説のヒロインの胸小さい気がする〉

「も」ってなんだ、「も」って!(笑) そんなこと劇中に一言も書いてないぞ。そもそも「胸が小さい」と明記したキャラクターは、記憶しているかぎり二人しかいないぞ。しかもそのうちの一人(音宮美夜)は「超絶美人でスタイルもいいなんて男の妄想丸出しで気持ち悪い」と言われたから、慌てて「胸がない」という設定を追加したんだぞ!

なぜ友人が「も」などと言い出したのかさっぱりわかりませんが(日頃の行いか(^_^;))、キャラクターの胸のサイズについては特に決めていません。

ただ、身長体重やら生年月日やら、細かい設定は割と決めています。

特に身長は絶対に決めます。対話シーンで相手を見上げて話すのか、見下ろして話すのか。それ次第で読者さんに見せたい情景が異なってくるからです。『境内ではお静かに』のヒロイン・久遠雫のように「身長150センチ前後しかかないけど、身体の大きな視点人物(壮馬)より強そう」みたいなおもしろさを描くこともできる。

あと、地味に重視しているのは名前の由来ですね。親がなんらかの願いを込めて名づけたのか、もしくは適当につけたのか。それだけでキャラクターがどんな子ども時代をすごしたのか考えるきっかけになります。だからこれは、自分にとって重要な設定なのです。その割に書いてる途中で名前を変えることが多いけどな。

ちなみキャラクターの設定は、最近までScrivener 3でExcelのような表にしてましたが、表示がおかしくなることが多いのでテキストで打つようにりました。


上記はすべて「天祢涼の場合は」です。人によっては「そんなこと決めなくていい」という設定もあるはず(事実、「身長を決めることに意味はない」と言われたこともあります)。でも小説の書き方に答えはない。自分にとって重要な設定であれば考えればいいし、そうでなければ考えなければいい、それだけのことなのです!

以上、友だちから胸のことばっかり考えてる頭のおかしな作家と思われている恐怖を味わったので、必死にまじめさを主張してみた。

天祢 涼
そのためだけに書いた記事なので、あまり鵜吞みにしないでいただければ……。
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あまね りょう
第43回メフィスト賞を受賞してデビューしたミステリー作家です。代表作は次回作。読んだ人の胸を抉るようなミステリー、胸きゅんラブコメなミステリーを世に送るべく日夜模索中。このブログでは仕事情報のほか、MacやiPhoneのネタ、猫写真などをアップしております。