天祢涼が小説を書くのに欠かせないアプリegword Universal 2がVer.2.2.3から、地味ながら、個人的には先日のダークモード対応に匹敵する神アップデートを果たしました。PowerPC対応版時代から抱えていた不満が遂に解消。
できるだけInDeisgnの組版に近い状態で編集者に原稿を見せたい天祢涼にとってはうれしすぎる改善です。
歓喜と興奮につき、それについてご紹介。
ルビ周りの改善
これまでのegwordでは、ルビを振った単語が行をまたいだ場合、強制的に次行に送られていました。たとえば、「久遠雫」に「くおんしずく」とルビを振った場合。Ver.2.2.2まではこうなっていました。
右がルビなし、左がルビを振った場合。ルビを振った単語が次行に送られ、文字と文字の間に不自然な空きができていることがわかると思います。上記の例くらいならよいのですが。
こうなってくるとさすがに空きが目立ちます。「久」「遠」「雫」と一文字ずつルビを振れば回避できるかと思って試してみたのですが、やっぱりだめ。ルビを振った単語が行をまたがないように文章を調整するしかありませんでした。
が、Ver.2.2.3からは。
上記ファイルをVer.2.2.3で開いた画面
行をまたいでも、ルビを振っていないときと同じ表示に。文章を調整する必要なく、自然な組版が可能になりました。これを知ったときのうれしさたるや! 「おおっ」と声を上げちゃいましたからね(笑)。
文字詰めの改善
文字間についてもうれしい改善が。これまではカギ括弧や句読点が複数ある文章では、文字間が自動的に詰められていました。下記は『境内ではお静かに 縁結び神社の事件帖』文庫版の入稿データです。冒頭2行に注目。最初の行の文字間が若干詰まっています(特にカギ括弧の前後)。
同じファイルをVer2.2.3以降で開いたファイルがこちら。
詰まることなく、自然な空きに。文字間が広がった分、2行で収まっていた文章が3行になりました(InDesignで組んだ文庫では3行になっている)。これまではInDesignの組版に行数を合わせるため文字間を調整することが多々あったのですが、その手間がだいぶ減りそうです。アプリの設計が違うから完全に同じ組版にすることはできないとはいえ、これもうれしい。
いけるかも? egwordでDTP!
これまで上記2点に関して不満があったので、販促物のフリーペーパーをつくる際は仮想マシン上でInDesign CS6を起動させていました。が、アップデートで解消。もちろん、egwordでは合成フォントやルビのフォント変更などInDesignほど高度なDTPはできません。
でも必要な機能は備えている。
それに販促物で使う程度の画像なら、Photoshop CS6を起動しなくてもPixelmator Proで充分(むしろCS6よりできることは多いかもしれませんね)。
来月発売の『Ghost ぼくの初恋が消えるまで』のフリーペーパーはegwordとPixelmatorでつくってみようかと思ってます。どれだけやれるか楽しみ。
たぶん「ルビを振った単語が行をまたがない? すげえ!」「文字間が自然なワープロソフト? Yeah!」と興奮してegwordを購入する人ってそんなにいないと思うんですよ(笑)。それよりは先日のダークモード対応のような目立つアップデートの方が売上に貢献するはず。
派手さはないし、そのままでも問題ない仕様をきちんと改善してくれる物書堂さんに心より感謝ですm(_ _)m