『セシューズ・ハイ』台湾版

前々から予告していた「見ようによってはレアな本」が遂に刊行。『セシューズ・ハイ 議員探偵・漆原翔太郎』まさかの台湾版だ!

出版までの経緯

『セシューズ・ハイ 議員探偵・漆原翔太郎』とは、天祢涼の5作目。おバカな世襲議員・漆原翔太郎と、先代から仕える生真面目な秘書・雲井の二人が主人公です。

失言や問題行動連発で議員生命の危機に立たされる翔太郎を、必死にサポートする雲井。なにか事件に遭遇する度に雲井が推理するも、すべて裏目に出て却ってピンチに。が、気がつけば翔太郎が解決。ところが翔太郎は、ちゃんと推理したのか、運だけで解決したのかわからない。果たして翔太郎は天才なのか? バカなのか?……という連作短編集です。

人を殺す話を書くのに疲れていたので気楽に書いた短編を、当時の講談社担当P氏が気に入ってくれて、書き直しの上に設定を追加して単行本化。他社からの依頼が増えるきっかけになった、とても思い入れのある作品です。

が、まさか海外進出するとは思わなかった(笑)。

担当Y氏から話が来たのが、2年くらい前。

セシューズ・ハイに台湾版の依頼が来ました。あっちの人に日本の政治家の話がわかるのか!?
そんなこと言わないでください! いや、私もそう思いますが。

でも海外事業部の方がおもしろがってくれたそうで、 とんとん拍子に話が進んで翻訳作業開始。今年1月、台湾で刊行されました。

日本語版との違いがおもしろい

表紙は加藤木麻莉さんのイラストをそのまま流用。ただ、タイトルは「セシューズ・ハイ」だと訳しようがないので「謎解きは有権者へのサービスです!?」(選民服務是解謎!?國會偵探漆原翔太郎事件簿)に改題されています。コミカルでいいですね。

判型は、台湾版の方が一回り大きいです。

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そして本文。当然ながら全然読めません。

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日本語版との大きな違いは、注釈があること。

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山縣有朋と、ロッテの監督だったボビー・バレンタインについて書いてあるようです。翔太郎が冒頭で、バレンタイン監督時代のロッテを引き合いに出して演説していたことを思い出す。

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たぶん切腹と介錯の解説をしているんでしょうね。雲井のこの思考回路は、台湾の人にどう思われるのか……。

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書いた本人すら、なんの解説をしてもらっているのかわからない。

ちなみに、「やっぱり、ただのバカなんじゃ?」は、あっちではこう表記するらしいです。

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どうしてもほしい人は

以上、『セシューズ・ハイ』まさかの台湾版のお知らせでした。台湾の書店では手に入るけれど、日本では入手困難。というわけで「見ようによってはレアな本」となっております。

どうしても台湾版の『セシューズ・ハイ』がほしい!という人は……まあ、そんなにいないと思いますが、こちらのサイトをご参照ください。当方は使ったことがないので、あくまで自己責任でどうぞ。

【保存版】台湾版Amazonとも呼ばれるショッピングサイト「博客来(ボーカーライ)」で買い物してみた / メリットと注意点(ロケットニュース24)

ちなみに販売ぺージはこちらです。

誰が予想しただろう、漆原翔太郎が海外進出する日が来るなんて。
by 天祢涼(あまね りょう)
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天祢 涼
あまね りょう
第43回メフィスト賞を受賞してデビューしたミステリー作家です。代表作は次回作。読んだ人の胸を抉るようなミステリー、胸きゅんラブコメなミステリーを世に送るべく日夜模索中。このブログでは仕事情報のほか、MacやiPhoneのネタ、猫写真などをアップしております。