本日、『議員探偵・漆原翔太郎』のゲラを編集部に送りました。あとは担当P氏がすばらしい本に仕上げてくれることでしょう。講談社文庫より近日発売です!
なお、校閲さんが調べてくれた結果、単行本版において主人公の国会議員、漆原翔太郎に公職選挙法違反疑惑が持ち上がりました。
問題が起こったのは、第三話「選挙」でのこと。
衆議院が解散し、翔太郎は秘書の雲井とともに選挙に臨む。ライバル候補との接戦が続く中、選挙事務所に盗聴器がしかけられる。どうやら陣営にスパイが潜り込んでいるらしい。容疑者は三人。果たしてスパイは誰なのか? 雲井はある条件から犯人を絞り込むが……。
トリックについては「無理。ありえない」という批判と、「すごく絵になる!」という称賛、両極端の声をいただきました。実に思い出深いトリックです。
それはさておき、この話で翔太郎陣営が行った選挙活動について、校閲さんから「公職選挙法的にOKですか?」という旨のご指摘をいただきました。
いやー、よく気づいてくださいました。ストーリーとはまったく関係がありませんが、かぎりなく黒に近いグレーだわ、これ(^_^;)
というわけで、ある設定を単行本版から変更しました。
ストーリーにはまったく関係のない、本当に些細な設定です。変えた箇所は、たった一文字。これに気づいた人は、「セシューズ・ハイマニア」を名乗っても差し支えないレベル。気になる人は、ぜひ単行本と文庫を見較べてさがしてみてください。
まあ、公職選挙法以前に、翔太郎はもっと重大な法律違反を大量にしてそうですけどね。
天才なのか? バカなのか? どちらかわからない世襲議員が探偵役のユーモアミステリなので、法律云々を気にせずお楽しみいただければ幸いです。
by 天祢涼(あまね りょう)