egwordで小説を書いているミステリ作家・天祢涼です。
かなりいまさら感がありますが、物書堂さんがegword Universal 2.1のα版をリリースしました。こちらからダウンロードできます。
2007年に販売終了となったegword Universal 2を現在に蘇らせようという壮大なプロジェクト。いまなら誰でも自由にダウンロードできて、無料で使えます(2018年3月31日まで)。みんな、どんどん文章を書いて、バグをフィードバックしよう!
そもそもegword Universalって?
egword Universalとは、かつて「エルゴソフト」という会社が開発・販売していたMac専用の日本語ワープロソフト。縦書きやルビ、圏点、ぶら下がりなど日本語組版に必須の機能が搭載されていて、根強い愛好家がいました(あの村上春樹さんもegwordで小説を書いているそうです)。
が、エルゴソフトの解散に伴い、開発終了。当然サポートも切れ、egwordは使えなくなる……はずでした。
ところが、なぜかmacOSがアップデートされても物ともせずに動作し続け、発売から10年経っても使用できるという異例の状態に。幾多のバグはあるものの、「egwordでないと文章は書けない」という愛好家を魅了し続けたのです!
……と偉そうなことを書いておいてなんですが、天祢涼がegwordを入手したのはここ最近のこと。物書堂さんがいつまで経ってもエディタを出してくれないので(笑)半ば自棄になって入手したら、使い心地のすばらしさにすっかり心酔してしまった次第。
そんな不死身のegwordでしたが、macOS10.13で遂に起動不可能に。天祢涼をはじめ多くの愛好家が「物書堂、早くエディタを出してくれー!」と叫んでおりました。
物書堂がegwordの権利関係を入手!
物書堂さんがエディタを出すまでmacOSのアップデートは控えるしかない。そう思っていたところ、事態は思わぬ方向に動きます。詳細はこちらの記事を参照していただきたいのですが、なんと物書堂さんがegword Universal 2.1として、最新のmacOSでも動くようにメンテナンスを始めたのです。
このニュースを知ったときの狂喜乱舞っぷりはいまもはっきり覚えてます(興奮して眠れなかったほど)。
その後、冒頭に書いたとおり物書堂さんがα版をリリース。ユーザーがバグをフィードバックする形で開発が進められています。個人的な使い勝手としては、ビルド303くらいから使用に困るようなバグはなくなりました。これまでと同じように……いや、それ以上に快適に小説を書いています。
横書きになっていたサジェストウインドウも、ご覧のように縦書きに対応。この瞬間をどれだけ待ちわびたことか! 区切り線もちゃんと縦書きに対応しています。最初のうちは矢印キーを押し間違えてしまいましたが、こんなにニヤニヤしながら押し間違えたのは生まれて初めてです(^_^)
正式なリリース日は?
前述のようにα版の使用期間は2018年3月31日まで。それまでに正式版がリリースされるのかどうかはわかりませんが、なんらかの動きはあるはず。egwordは仕事で毎日使っているので、気づいた点があったらフィードバックしつつ、発売日を待ちたいと思います。
Macでは数少ない縦書きができるソフト。本になったときの仕上がりを想定しながら書けるので、大変重宝しています。文字数や行数の設定も簡単なので、Macで物書きをしているなら、ぜひお試しください。α版とはいえ致命的なバグはもうなさそうだし、なにより、いまならタダですからね(笑)。
物書堂さん、egword Universal 2.1を本当にありがとうございます。正式版のリリースを楽しみにしておりますが、くれぐれもご無理なさいませんようにご自愛くださいませm(_ _)m